獣の奏者Ⅱ 王獣编

作者:上桥菜穂子

分类:作品

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獣の奏者Ⅱ 王獣编内容简介

王国の陰謀に果敢に立ち向かう少女・エリン。獣を操る技を身につけた彼女が選んだ未来とは?「王獣は、けっして人に馴れることはない。甘い幻想を抱いて近づきすぎれば、爪で引き裂かれて死ぬことになる」師匠にそう言われても、エリンは、王獣を恐怖で支配することを拒む。――はたして人と獣がともに生きる道はあるのか?――傷ついた王獣の子、リランを救いたい一心で、王獣を操る術を見つけてしまったエリンに、学舎の人々は驚愕する。しかし、王獣は「けっして馴らしてはいけない獣」であった。その理由を、エリンはやがて、身をもって知ることになる……王国の命運をかけた争いに巻きこまれていくエリン。――人と獣との間にかけられた橋が導く、絶望と希望とは?

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「真実であると考えられていたことが、後世の人の発見によって、誤りであるとわかる。そうやって人の知識は更新されてきた。…… そのことを、常に子どもたちに伝えなさい。よい教導師は、迷いのない教導師ではない。迷いを心に持ちながらも、常に学んでいく姿勢を子どもたちに伝えられる教導師こそ、よい教導師なのだ、わたしは思うわ」

すべての生き物が共通して持っている感情は<愛情>ではない、<恐怖>よ。その事実を、骨に刻みなさい。

人は、獣は、この世に満ちるあらゆる生き物は、ほかの生き物を信じることができない。心のどこかに、常に、ほかの生き物に対する恐怖を抱えている。だから、己の生を消されぬよう、ほかの生き物を抑えるために、様々な工夫を凝らし、様々な拘束の手段を生みだしてきたのだ。 武力で、法で、戒律で、そして、音無し笛で、互いを縛りあってようやく、私たちは安堵するのだ。 生き物の性に目を凝らしても、見えてくるのは、こういう虚しさだけなのだろう。

人も獣も虫も、あらゆるものは、闇の中に輝く小さな光点にすぎない。―不信という闇に囚われた、無数の光点の群れだ。

(――知りたくて、知りたくて…。) エリンは、心の中で、リランにいった。 おまえの思いを知りたくて、人と獣の狭間にある深い淵のへりに立ち、 竪琴の弦を一本一本はじいて音を確かめるように、おまえに語りかけてきた。 おまえもまた、竪琴の弦を一本一本はじくようにして、私に語りかけてきた。 深い淵をはさみ、わからぬ互いの心をさぐりながら。 おまえにもらった命がつづくかぎり、 わたしは深い淵の岸辺に立って、 竪琴を奏でつづけよう。

獣の奏者Ⅱ 王獣编书评

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