クビシメロマンチスト
クビシメロマンチスト内容简介
『戯言シリーズ』の2作目,02年05月のノベルスの文庫化です.前作から約1ヶ月後,主人公の通う大学や街が主な舞台となり,やや外側に居た前作とは異なり,彼を中心に物語がまわります.また,ミステリとしてもまずまずだった前作とは様子も違い,どちらかと言えば,事件は物語のためのきっかけ程度の印象で,犯人やトリックというよりは,動機や心情の面が強く出ています.そのため,ハッキリ明かされないままの『謎のメッセージ』や,それまでをひっくり返すウソ(叙述の類ではない)のセリフなど,ミステリ目線からまじめに読むと,少し不満が残るかもしれません.いくつか「おっ」と,思わせられるところもあるにはあるのですが….ただ,登場人物の心理が嫌悪感を抱きそうなほど深く描かれ,その歪んだ動機や人が崩れていくあたりはエグくも読みどころ.主人公の冷たさばかりが目立ったクラスメイトとのやり取りでも,真相が語られたあとでは,また違った印象を抱くのではと思います.そんな中,主人公が見せる暖かな感情が一瞬とはいえ印象深く,そこから一気に引き落とされるような結末はなんとも言いがたく,締めに綴られたシンプルな英語のメッセージが苦い余韻を増します.ほかにも,過去への意味深な思いや暗い未来を暗示する言葉など,前作同様に詳細は語られませんが,まだまだ広がっていきそうです.ノベルス版との違いは,表紙,扉絵,アトガキ,表紙袖の口上で,文庫版オリジナルのしおりとカラー扉絵はサブタイトルの少年くん.加筆・修正の類は,文庫化では極力おこなわないスタンスだそうです.なお,先の少年くんをメインに据えた新作が四部作で予定されており,08年08月の『メフィスト』誌から先行掲載,書籍化されるとのことです.
クビシメロマンチスト书评
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