方壷园
方壷园内容简介
副題には「推理小説集」(但し奥付には『方壺園』としか記載なし)。正確に確認していないが、陳舜臣の初短編集(1962年発表)となる作品が文庫化されたもの。現状はこの中公文庫版も絶版。かなり探した。(が、陳舜臣は古書になる作家なので、リサイクル系よりも通常の古書店を回った方が見つかりそうだ)。唐代詩人・高左庭が居候していた商家・崔朝宏の邸宅内には、非常に高い壁に囲まれた一角があった。人呼んで「方壺園」。かつて巨大な書庫だった建物が中途半端に取り残されたのだ。そこを高左庭が占領していたが、ある晩に彼が友人を招き、帰らせた後、翌朝になって内部で殺されているのが発見された。しかしそこは中から閂がかかった密室状態であった……。 『方壺園』長期間にわたって病気療養をしてきた王界は砂漠の中にある拠点、大南営に、旧友の顔基に呼び出されて騎馬で向かう。同じような建物の並ぶ営舎は、現在は守備兵しかおらずがらがらだった。顔基と旧交を温める王界であったが、顔基と対立していた劉応東が殺害される事件が発生した。 『大南営』一九三四年、南京の国民政府に反旗を翻した革命家にして詩人の史鉄峯が捕らえられた。日本人で彼の詩の訳者でもある高見は彼に相まみえるため、彼が囚われている福建省の九雷渓に向かう。果たして彼は衰弱していた。そんななか、彼を監視する張上尉が何者かに撲殺され、川に投げ込まれた死体となって発見された。 『九雷渓』大学の文化史研究所に勤める浅野は、夜中に研究室で一人でいたところを急に襲われ、怪我をして入院した。フラッシュのような光が浴びせられたかと思うと、肩を短刀のようなもので抉られたのだ。犯人を彼は目撃していないが入院しながら考えるに、なんとなく彼に心当たりが出てきた。 『梨の花』戦時中、中国から日本に招かれた鄭清群。線の細い彼は来日してすぐに、用心棒としてあてがわれた日本人が密室で殺される事件と遭遇、その時から魂を抜かれたような存在になってしまっていた。 『アルバムより』インドのムガール帝国の四代皇帝の長子・フスラウはこの世を去った。政治の激しい争いのなか殺害されてしまったのだ。更に盲目だったフスラウを支えていた叔父もまたほぼ同時に殺害されたが、事件には不審な点も多かった。そして二十年が経過して、その不思議が明らかにされてゆく……。 『獣心図』以上六編。
方壷园书评
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